#1.喰うが、さなぎのご挨拶

#1.喰うが、さなぎのご挨拶

 

初めましての方は初めまして、

ご存知の方はとても稀有ですね、ありがとう。

 

“さなぎ”というデュオで”詩人”という大層な肩書きを頂いてます”喰うが”と申します。

 

さなぎとはなんぞやと思うでしょう、

さなぎは幼虫が成虫になる途中段階、成長過程、未発達な状態です。

さなぎはそんな未発達、未熟、なり損ないの自分に対する言い訳から生まれたグループです。

 

元々音楽、ひいては作詞に興味のあった自分は「どうせやったところで…」と

始める前からやりたい自分に言い訳をしながら歳だけを取りました。

やっと始めても自分の物覚えの悪さを言い訳に諦めかけていた、

そんな時に自分より数段頭の良い幼馴染と酒を酌み交わし

「自分じゃ出来ないんだし、コイツに頼っちゃお〜」と引き摺り込んだのが相方”大将”です。

 

大将のお陰で自分の思い描いた音楽は段々と形になり始めた。

しかしそもそも楽器の出来ない二人、その上自分達を売り込むノウハウも無い為、

行き詰まっていた所にbookman”木囃子”が現れ、

まんまと大将の料理に釣り上げられ、我々の曲にギターで魂を吹き込み、

ライブハウスとの縁を取り持つなど、手助けをさせられるハメになったのです。

 

そうしてさなぎはやっと”アーティスト”とギリギリ呼べる存在になったのです。

 

ここまで読んでお気づきかと思いますが、喰うがは殆ど何もしてません、

喰うがは”詩人”では無く”詩を書くしか出来ない人”なんです。

ちゃんと詩すら書けてるのか疑わしいですが。

 

出来ない自分を肯定するでも無く、仕方ないからやめよう、

しかたないから手を借りようの繰返しで今のさなぎが有ります。

 

何も出来ない、芯の無いグズグズな自分が溢れないように、

言い訳と誰かの借り物で出来た虚飾の殻で閉じ込めて、

なんとか形を保っている自分、さなぎの名前は本当におあつらえ向きだと思います。

 

だけどそんな自分だからこそ書ける物が有る

言い訳に頼り、それを恨み、また自分を諦める、

そんな情け無い自分に蓋をせず、壮大に曝け出してやる、

 

誰もが弱音を、怒りを、諦めを、希望を恥じらって口を閉ざすなら、

自分は誰よりも大きく、ちょっと格好つけて歌にしよう、

 

閉じ込めた思いが今やっと言葉に出来る喜びを、

誰かのお陰であっても形が出来た感動を、

この想いを飛ばす羽根にしよう、

そんな気持ちで始まったのが”さなぎ”の”詩人”喰うがです。

 

なんてかなり格好つけて自分を書いてみましたが、

実際のところ大将と木囃子におんぶに抱っこの赤子同然です。

それでも僕の口から出る弱音や、ちょっぴりの希望に共鳴する人が居るなら幸いです。

あなた以上にバカで、情け無くて、弱い人間がココで息をしてますよ。

 

 

次からは今回よりもっと下らない”虫も喰わない噺”を書きます。